編集長挨拶
『澪標』は、弊会が年に4度刊行している学術誌です。未だ混迷を深めるわが国の思想状況を深憂し、平成16年に創刊されました。不安と試行錯誤の6年間でしたが、幸い多くの方々のあたたかいご支援、ご声援に支えられ今日に至っております。
創刊以来、特定のイデオロギーに基づく閉鎖的で画一的な誌面構成に拘泥することなく、日本の歴史、国家と保守主義の関係にまつわる諸問題を、哲学的、思想的な次元で考究し、日本国の安寧と発展に寄与する文化的学術誌を目指してきました。
さて、情報化社会の到来といわれて久しい昨今、戦後日本の言論空間を長らく席巻してきた進歩的、左翼的言説は、その基盤や信用を失墜させつつあります。数十年前までは考えられなかった歴史の真実、知識、情報が、書店やインターネット上で容易に入手可能な時代になってきました。
しかしながら、これだけの情報が世の中に氾濫する一方で、私たち保守主義勢力が本来立脚すべき深遠で根源的な思想や哲学は残念ながらあまり省みられていないのが、いわゆる保守言論界の現状です。
今なお、アカデミズムやマスメディアの世界で主流となっている進歩的、左翼的な風潮と対峙していくには、思想がもつ真の力を見直し、新たな保守主義哲学の構築を目指すことが何よりも重要となってくるに違いありません。学術誌「澪標」は、そうした時代の要請に応える豊かな思想と文化的教養の誌を今後も目指していく所存です。
編集部一同、皆様のご期待、ご要望にそえる内容、紙面づくりに一層励んで参ります。読者の皆様からのご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
平成22年
学術誌「澪標」編集長
早瀬善彦
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