学術研究紀要「澪標」
最新号目次

 

澪標通巻62号

●巻頭言 井尻千男「メタフィジカル・クリティック宣言」

●連載 桶谷秀昭「思想と思想者(4)」―西田幾多郎と保田與重郎―
●連載 田中英道「アドルノとフランクフルト学派批判(2)二十世紀を荒廃させたユダヤ・マルクス主義」
●論文 早瀬善彦「在日外国人の地位と参政権問題―国籍、法制度の視点から」
●論文 岩田温「国家と主権―ボーダン、ホッブズの国家論」
《書評》柄谷行人『世界史の構造』

【編集長から】
 井尻千男先生の巻頭言「メタフィジカル・クリティック宣言」は、いつも以上に力のこもった内容、筆致の巻頭言になっています。唯物史観や実証主義への批判は世にあふれていますが、実在とは対応しない言語(たとえば「絶対」)という観点からの批判という試みは、非常に奥深く、斬新な切り口であると感じられました。確かにわれわれ人間は、実在を超えた観念に引きずられる存在であり、まただからこそ、逆に悲劇を生み出してきたことは歴史が証明するとおりです。「実在との関係において自由」な人間とはどのような存在か。実在という原理を、西田幾多郎のデカルト解釈から読み解いていく今回の桶谷秀昭先生の論文とも重なるテーマです。「メタフィジカル・クリティック宣言」は何度かに分けてシリーズ化される予定です。今後ともご期待ください。